ハッシングについて=Dr. クレイグ・ライト
Hashing
and History of Peer Systems / Bitcoin Association
訳:BSVJ(抜粋※2244秒以降)
インデックシング(indexing)とハッシング(hashing)についてです。
もし小さなブロック構造なら、単にインデックスを付ければ済むことです。01、02と番号を振ってインデックス化すればいいのです。誰かが変更を加えようとしても、それは一つのブロックハッシュで全域カバーでき、ことが足ります。行き着くところ、ハッシングは、特定の限られた構造にのみ有効なものです。
ハッシングはブロックチェーンの安全を保障するものではありません。それはまったくの偽りです。ハッシングは何ら安全保障に貢献しないのです。
みなハッシュパワーを取り上げますが、私自身いつもそれは「孔雀の尾」に例えて言っています。進化論上のゲーム理論コンセプトです。
どなたか孔雀のゲーム理論をご存知の方がいらっしゃいますか?孔雀は大きな尾を持ちます。メスはオスの大きな尾を好みます。大きければ大きいほどいいわけです。メスはオスの大きなテールを見て、「キャ~あの尾」と惹かれます。尾が大きいほどセクシーです。
ではなぜ、オスは18フィートのもっと長い尾を持たないのでしょう。もしそれほどまでに尾が長くなると、そのオスは「ランチ」になってしまいます。木の上にいても虎に尾を掴まれ引っ張り降ろされてしまうからです。
そこが重要な部分で、これは他者に向けた表示機能なのです。尾が長いほど、そのオス孔雀がより壮健であることを示します。それほどの長い尾を持ちながら、一度も虎のランチになることなく生き抜いていると誇示できるからです。「ベイビー、俺を見てくれ。何の役にも立たない尾がこれほど大きいのに、虎の餌になることなく今なお生き延びているんだ」と言うようにです。
マイナーが供給しているASICパワーは孔雀の尾なのです。彼らがしていることは基本的に見栄を張る行為です。「金ならいくらでつぎ込める」と経済力を見せびらかすのです。身銭を切ってそう誇示するわけです。
マイナーの不正は簡単に見抜かれるわけですから、例えば100億円をつぎ込んだ深圳のマイナーが、それを使って犯罪に走ることはないのです。彼らがアタッカーになることはありません。仮に不正をして、それだけのマイニング装置をたたんでその場から引き上げるのにどれくらいの時間を要するでしょうか。警察が来るまでにきれいに立ち去れるでしょうか。
みなが犯罪行為に走るというわけではありません。正直さであり、正直なお金です。ビットコインのマイナーは不正に走れません。いとも簡単にバレるからです。要は、不正に走るビットコインのマイナーは18フィートの尾をもった孔雀というわけです。これがビットコインのシステムです。
みな「我々にはもっと優れたプルーフオブワークを構築することができ、ソリューションを提供できる」などと無邪気にはしゃいでいますが、それは無理です。みなが無駄遣いし、まさに無駄に札束を燃やすことでこのシステムは機能するのです。
現実的に、例えば車を買いにディーラーに行きますが、普通に考えれば、10億円かけてショールームを構えているディーラーがそう簡単に不正を働くには失うものが大き過ぎます。でも、例えばその辺の道端の空き地にひょっこり現れたポップアップショップをそう簡単には信用できません。見たところ、何の投資も行っていないわけですから。
そういうことなのです。経済システムです。不正に走るマイナーが勝つことはないので、みな正直なマイニングを行うわけです。
過去にこういうことがありました。当時のプロトコルスペックを満たさず、0.1%オーバーして拒否されたマイナーがいました。他のすべてのマイナーがそれを拒否したのです。それはわずか数秒内の判断でした。それを発見したのはラズベリーパイを使ったホームユーザーではありません。マイナー達が発見したのです。
マイナーは、他のマイナーが不正を働くのを見つけ出すことへインセンティブを持っています。彼らは、作業ミスを犯した他のマイナーを潰すことにインセンティブが働くのです。彼らはそうして稼ぎます。ビットコインでは不正を働く者は利潤を得られません。
ゆくゆく説明いたしますが、みなが取り上げている諸問題、例えばマイニングファスト、ドロッピングオフなど、機能しません。補助金のあり方が機能し、いずれトランザクション量ベースへと移行する中、自ずとすべてが解決します。
それらはまた別の機会に取り上げたいと思います。
訳:BSVJ
Twitter: Jan 8, 2020
Youtube: Hashing and History of Peer Systems / Bitcoin Association